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人手不足の解消や社内の活性化を目的に外国人社員を受け入れる際は、日本人雇用とは異なる法的リスクや、職場での差別といった問題へ配慮する必要があります。せっかく採用した人材がトラブルから早期離職や失踪に至り、受け入れが失敗に終わる事態は、企業として何としても避けたいところです。
こちらの記事では、外国人採用で実際に起こりやすい労務・人間関係などのトラブル事例を紹介するとともに、予防策についても解説します。専門家へ相談すべき判断基準についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
外国人社員を雇用する際には、出入国管理及び難民認定法に基づき不法就労活動が禁止されており、違反すると不法就労助長罪として3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはこれら両方が科される恐れがあります。不法就労にあたるケースを見てみましょう。
外国人を雇用する際には、労働施策総合推進法に基づきハローワークに外国人雇用状況を届け出なければいけません。雇い入れ翌月10日までに提出するようにしましょう。
日本の曖昧な表現や言い回しによって、外国人社員との間に契約内容や労働条件の認識のズレが生じるケースは少なくありません。業務内容や残業代、各種手当、控除、評価基準などが正確に伝わっていないと、「契約より給与が低い」「不当な扱いを受けた」といった誤解を招き、トラブルに発展することもあります。特に給与控除、社会保険制度については丁寧に説明して理解を求める必要があります。
また、残業への認識や長期休暇の取得といった就労文化の違いから、特定社員への業務のしわ寄せが生じ、現場の疲弊やチーム連携の停滞を招くケースも少なくありません。
不法就労防止において欠かせない在留カードの確認ですが、目視や手触りだけでは見分けがつかない精巧な偽造カードの摘発が後を絶ちません。確認を怠った場合、「偽造とは知らなかった」という主張は過失と見なされ、企業自身が不法就労助長罪に問われる重大な法的リスクに直結します。
不法就労助長罪に問われるリスクを防ぐには、出入国在留管理庁が提供する在留カード等読取アプリケーションの活用が有効です。ICチップの読み取りデータと券面の記載を照合できるため、偽造の有無をスムーズに確認できます。操作もいたってシンプルです。
ICチップが読み取れなければ確認できませんので、その場合は在留カードを再交付してもらいましょう。アプリは無料で利用可能です。
外国人社員が失踪・早期離職する主な原因は賃金など労働条件の認識違いと言葉の壁による孤立です。内定時から正確に業務内容を伝えるのはもちろん、入社後の多言語マニュアル、定期的な面談、母国語による相談窓口の設置など、社内体制を整えましょう。
万が一失踪した際には、安否確認と事実調査を行った後に就業規則に沿って退職日を確定させ、警察や出入国在留管理庁、ハローワークなど関連機関への届け出、報告など法的に義務付けられた手続きを期限内に行う必要があります。
異文化への理解が不十分なまま採用した外国人社員を現場に丸投げしてしまうと、報連相がうまくいかずにミスが起こったりコミュニケーションがうまく取れずに現場の雰囲気が悪化して早期離職に繋がったりする恐れがあります。これは、本人の日本語能力や業務スキルではなく受け入れ体制の不備が問題で起こるものです。
ストレスや不安感を軽減するための生活サポートや、マニュアルの多言語化、受け入れ前に文化的な違いや宗教に対する配慮などの研修を行うことで、受け入れの失敗リスクを軽減することができます。
国籍や宗教など異なるルーツを持つ外国人社員が在籍している場合、母国間で歴史的な紛争や宗教対立、領土問題を抱えていることがあります。そうした政治や宗教、外交問題を職場に持ち込んでしまうと、指示に従わない、嫌がらせや口論が起きるといったトラブルを招き、職場の雰囲気が悪化してしまう恐れがあります。最悪の場合、暴力沙汰に発展して警察が介入する事態にもつながります。
また、宗教的な習慣によって、特定の国の社員だけが特別扱いされていると誤解されたり、宗教の押し付けが起こったりすればシフトや業務負担による不満がたまる、ハラスメントが起こる場合もあります。生産性が低下したり、居心地の悪さから社員が退職してしまったり、会社として不利益を被ることになります。
不法就労助長罪などの法的リスクを回避するため、在留資格の確認は欠かせません。在留カードは原本を必ず確認すること、アプリケーションなどを用いて偽造カードではないか確かめることをルール化しましょう。
また、言った・言わないといったトラブルや労働条件について認識のズレが起きないよう、雇用契約書や就業規則は多言語化して双方が正しく理解できるようにすることも大切です。
国籍や宗教、政治的対立によって日本人と外国人社員が対立することがないよう、社内ルールを作って周知することが重要です。人種・国籍・出身地などを理由とした差別的な言動や嫌がらせであるレイシャルハラスメントを防ぐために就業規則やハラスメント防止方針へ盛り込みましょう。
宗教的な習慣、食生活の配慮などについて理解するための研修や、差別やハラスメントの基準、処分の対象となる事例なども共有しておくとよいでしょう。
トラブルを防ぐために、社内相談窓口の整備も必要です。人間関係の悩みや職場の不満を相談しやすいように母国語で相談できるのが理想ですが、社内で人材の確保が難しければ外部の専門機関のサポートを受けることも検討しましょう。その際、相談したことで不利益が生じないことを明確に約束するようにしてください。
上司とは別に、仕事だけでなく私生活も含めてサポートするメンターを配置することも有効です。定期面談を仕組化すれば、孤立していないか、困っていることはないかを早めに知ることができ、トラブルが起こる前に対策できるようになります。

外国人社員の雇用においては、労務管理や職場内の摩擦に関する事前対策が必要不可欠です。在留資格や就労可否の確認を怠った場合、出入国管理法上の不法就労助長罪に問われ、企業自身が処罰の対象となる重大なリスクをはらんでいます。さらに、言語や商習慣の相違、宗教上の配慮に対する現場の理解不足は、業務の停滞や早期離職を招く要因となり得ます。こうしたトラブルを未然に防ぐには、就業ルールの明文化や専用の相談窓口設置など、双方が迷わず業務へ集中できる体制づくりが求められます。自社だけで法務対応や受け入れ体制を整えるのが難しい企業にとって、専門の支援を活用することは、法的リスクを回避しつつ現場への定着を進める有効な手段です。
日本で働くことが決まった外国人社員を受け入れるときには、ビザの取得や在留資格などの手続きや賃貸契約といった生活サポートなどを企業側で手配する必要があります。
当メディアでは、これまで数多くの外国人社員受け入れのサポートの実績(※)を持つリロケーション・インターナショナル監修のもと、受け入れの基礎知識をまとめました。
はじめて外国人社員を受け入れる現場の担当者や人事の方に向けて、国ごとに注意点や配慮したいポイントについて解説しているので、ぜひチェックしてください。