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キャリアアップ助成金(正社員化支援・処遇改善支援)は外国人材にも適用できる?

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目次Index

自社で働く優秀な非正規雇用の外国人材(留学生アルバイトや契約社員など)を正社員に登用し、自社のコア人材として長期的に定着させたい。しかし、正社員化に伴う人件費の増加や手続きの煩雑さに不安を感じている人事担当者の方も多いのではないでしょうか。

そのような時に活用を検討したいのが、キャリアアップ助成金です。こちらの記事では、正社員化の支援や処遇改善を目的とした本制度の概要と、外国人材を対象とする際の特有の注意点(ビザの変更や対象外となるケース)について詳しく解説します。

キャリアアップ助成金とは?外国人社員も対象になる?

非正規労働者の正社員化や処遇改善を支援する制度

キャリアアップ助成金とは、有期雇用労働者やパートタイム労働者、派遣労働者などの非正規雇用労働者を、自社内で正社員に転換したり、賃金規定を改定して処遇を改善したりした企業に対して、国が助成金を支給する制度です。

労働者のモチベーションやスキルを向上させるだけでなく、優秀な人材を安定して確保するための施策として、多くの企業が活用しています。

適法に就労している外国人労働者も対象になる

この助成金は日本人向けというイメージを持たれがちですが、決して日本人限定の制度ではありません。適法な在留資格(ビザ)を持ち、雇用保険の被保険者要件などを満たしている外国人材であれば、日本人と全く同じ条件で制度の対象となります。有能な外国人アルバイトを正規雇用へ引き上げたい企業にとって、非常に有効な選択肢となります。

外国人採用で活用できるメインの支援コースと適用条件

キャリアアップ助成金は、大きく正社員化支援と処遇改善支援の2つに分かれています。ここでは、各コースの具体的な適用条件や申請時の注意点について詳しく解説します。

正社員化支援

有期雇用(契約社員やアルバイト)から正規雇用(正社員)への転換を行うことで助成対象となる、本制度の中でも多く活用されているメインのコースです。

正社員化コース

雇用期間が通算6ヶ月以上の有期雇用労働者などを、社内の規定に基づき正社員として登用した場合に適用されます。各種コースの中で助成額が最も高く設定されており、優秀な留学生アルバイトなどを他社に流出する前に自社の正社員として囲い込める点が、企業にとって大きなメリットといえるでしょう。

  • 主な適用条件:正規雇用へ転換する際、転換前より基本給などの賃金を3%以上増額させることが必須となります。
  • 注意点:単に契約書を正社員に書き換えるだけでは不適合です。また、正社員転換後6ヶ月分の賃金を支払い終えてからの申請となるため、実際に助成金が振り込まれるまでには一定の期間を要します。
転換の区分 中小企業 大企業
有期雇用 → 正規雇用 40〜80万円 30〜60万円
無期雇用 → 正規雇用 20〜40万円 15〜30万円
転換の区分
有期雇用 → 正規雇用 【中小企業】
40〜80万円
【大企業】
30〜60万円
無期雇用 → 正規雇用 【中小企業】
20〜40万円
【大企業】
15〜30万円

障害者正社員化コース

障害を持つ有期雇用労働者等を正規雇用労働者等に転換した場合に利用できるコースです。通常の正社員化コースよりも助成額が大幅に高く設定されており、障害者雇用の促進と社内定着を強力に後押ししてくれるため、法定雇用率の達成を目指す企業にとって非常に有益な制度となっています。

  • 注意点:対象となる労働者が、障害者手帳等を所持しているなどの公的な証明が求められます。

①重度身体障害者、重度知的障害者および精神障害者の場合

転換の区分 中小企業 大企業
有期雇用 → 正規雇用 120万円 90万円
有期雇用 → 無期雇用 60万円 45万円
無期雇用 → 正規雇用 60万円 45万円
転換の区分
有期雇用 → 正規雇用 【中小企業】
120万円
【大企業】
90万円
有期雇用 → 無期雇用 【中小企業】
60万円
【大企業】
45万円
無期雇用 → 正規雇用 【中小企業】
60万円
【大企業】
45万円

②上記以外の障害者の場合

転換の区分 中小企業 大企業
有期雇用 → 正規雇用 90万円 67.5万円
有期雇用 → 無期雇用 45万円 33万円
無期雇用 → 正規雇用 45万円 33万円
転換の区分
有期雇用 → 正規雇用 【中小企業】
90万円
【大企業】
67.5万円
有期雇用 → 無期雇用 【中小企業】
45万円
【大企業】
33万円
無期雇用 → 正規雇用 【中小企業】
45万円
【大企業】
33万円

処遇改善支援

賃金規定の改定や各種手当の導入など、雇用形態はそのまま維持しつつ、非正規雇用労働者の処遇(待遇)を改善することによって助成を受ける枠組みです。

賃金規定等改定コース

有期雇用労働者等の基本給の賃金規定等を3%以上増額改定し、適用させた場合に支給対象となります(1人当たり)。正社員への転換ハードルが一時的に高い場合でも、給与ベースを引き上げることで外国人労働者のモチベーション向上や離職防止に直接働きかけられる点が大きな魅力です。

  • 主な適用条件:すべての有期雇用労働者、または一部の職種等の有期雇用労働者の基本給を3%以上引き上げる必要があります。
  • 注意点:最低賃金の引き上げに伴うやむを得ない増額であっても、要件を満たせば活用できるケースがあるため、自社の給与改定のタイミングと合わせて計画するのがポイントとなります。
賃金の引き上げ率 中小企業 大企業
3%以上4%未満 4万円 2.6万円
4%以上5%未満 5万円 3.3万円
5%以上6%未満 6.5万円 4.3万円
6%以上 7万円 4.6万円
賃金の引き上げ率
3%以上4%未満 【中小企業】
4万円
【大企業】
2.6万円
4%以上5%未満 【中小企業】
5万円
【大企業】
3.3万円
5%以上6%未満 【中小企業】
6.5万円
【大企業】
4.3万円
6%以上 【中小企業】
7万円
【大企業】
4.6万円

賃金規定等共通化コース

有期雇用労働者等と正規雇用労働者との間で、業務内容に応じた共通の賃金テーブル(規定)を新たに作成し、適用した場合に助成されるコースです。同一労働同一賃金の対応を推進しつつ、そのための制度整備にかかるコストを助成金でカバーできる点が企業側の利点として挙げられます。

  • 注意点:共通化に合わせて、既存の正規雇用労働者の賃金を不当に引き下げるような制度設計は一切認められません。
1事業所当たり
中小企業 60万円
大企業 45万円

賞与・退職金制度導入コース

有期雇用労働者等を対象として、新たに賞与や退職金制度を導入し、実際に一定額以上の支給または積立を実施した場合に利用可能です。非正規雇用のままでも待遇の良さを求職者にアピールできるため、長期的な定着率の底上げに直結する施策として有効に機能します。

  • 主な適用条件:賞与の場合は、6ヶ月分で5万円以上を支給することなどが要件として定められています。
  • 注意点:一度導入した賞与や退職金制度は企業の継続的なランニングコストとなるため、中長期的な財務計画をしっかり立てた上で導入を決定しなければなりません。
1事業所当たり
中小企業 40万円
大企業 30万円

短時間労働者労働時間延長支援コース

有期雇用労働者の所定労働時間を延長し、それに伴い新たに社会保険へ加入させた場合に対象となります。いわゆる年収の壁を意識して働く時間を抑えていた優秀なパートタイム労働者に対し、より長く自社で働いてもらうきっかけを作ることが期待できる枠組みです。

  • 注意点:労働時間の延長と社会保険料の控除について、必ず労働者本人から事前の同意を得ておく必要があります。
労働時間の延長 賃金の増加 小規模企業 中小企業 大企業
1年目 5時間以上 50万円 40万円 30万円
4時間以上
5時間未満
5%以上
3時間以上
4時間未満
10%以上
2時間以上
3時間未満
15%以上
2年目 労働時間をさらに
2時間以上延長
25万円 20万円 15万円
基本給をさらに5%以上増加、
または賞与・退職金制度の適用
【1年目】
企業が受けとれる補助金
小規模企業 50万
中小企業 40万
大企業 30万
【2年目】
企業が受けとれる補助金
小規模企業 25万
中小企業 20万
大企業 15万
【1年目】
労働時間の延長と賃金増加率
5時間以上 -
4時間以上5時間未満 5%以上
3時間以上4時間未満 10%以上
2時間以上3時間未満 15%以上
【2年目】
労働時間の延長と賃金増加率
労働時間をさらに2時間以上延長 -
- 基本給をさらに5%以上増加、または賞与・退職金制度の適用

対象外になる外国人のケースや申請時の注意点

外国人材を対象として本助成金を申請する場合、日本人とは異なる在留資格(ビザ)に起因する注意点がいくつか存在します。

技能実習生は正社員化コースの対象外

まず注意しなければならないのが、技能実習生はキャリアアップ助成金の正社員化コースの対象外となるという点です。技能実習制度は、あくまで母国への技術移転・国際貢献を目的とした制度であり、日本国内での無期雇用(正社員化)を前提としていないため、本助成金の主旨とは合致しません。

留学生アルバイトの登用は就労ビザへの変更が必須

自社で働く優秀な留学生(アルバイト)を新卒採用として正社員に登用するケースは、助成金の対象になり得ます。ただし、留学生の在留資格は留学(資格外活動)であるため、正社員としてフルタイムで働くためには、登用に併せて技術・人文知識・国際業務などの就労可能な在留資格(ビザ)への変更許可が下りることが大前提となります。ビザの変更が不許可になれば、当然ながら正社員化も助成金の受給もできません。

事前のキャリアアップ計画の提出と就業規則の改定が必要

すべてのコースに共通する注意点として、必ず事前にキャリアアップ計画を作成し、労働局へ提出しておく必要があります。正社員に転換した後に申請しても受け付けてもらえません。また、助成金を受給するためには、労働基準監督署へ届け出た就業規則に、正社員転換のルールや新たな賃金規定が明確に明記されている必要があります。

正社員化=定着ではない?長期定着のカギは生活サポート

助成金を活用して給与を上げ、雇用形態を安定させたとしても、それだけで外国人材が自社に長く定着してくれるとは限りません。なぜなら、雇用条件の改善だけでは異国で暮らす外国人特有の生活不安を解消することはできないからです。

正社員となって将来のキャリアを描き始めた外国人材は、このまま今の住まいで長く暮らせるか、将来、母国の家族を日本に呼び寄せることはできるかといった、日本での長期的なライフプランに対する新たな不安を抱え始めます。
もしこの段階で、劣悪な住環境や言葉の壁による日々のストレスを放置してしまえば、せっかくのキャリアアップも意味をなさず、最終的には母国へ帰国したり、サポートの手厚い他社へ転職してしまう可能性が高くなります。

外国人社員にとっての本当の意味での処遇改善とは、単なる給与アップだけでなく、日本で安心して生活し、将来を描ける環境(生活基盤)をセットで提供すること

自社の大切なコア人材へと成長した外国人社員の長期定着を目指すなら、落ち着ける住居の手配や多言語でのライフサポート体制を構築できる「リロケーション・インターナショナル」のようなプロフェッショナルのサポートをおすすめします。助成金を活用した人事制度の整備と並行して、同社のサポートサービスの導入も検討してみてください。

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日本で働くことが決まった外国人社員を受け入れるときには、ビザの取得や在留資格などの手続きや賃貸契約といった生活サポートなどを企業側で手配する必要があります
当メディアでは、これまで数多くの外国人社員受け入れのサポートの実績(※)を持つリロケーション・インターナショナル監修のもと、受け入れの基礎知識をまとめました。
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加藤氏
                   

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ユニットマネージャー
加藤 潤さん